まぶたの病気 眼瞼下垂の患者・家族を支援する おーばです。
今回の記事は、わたしが受けたあるご質問とその回答を書きます。
<質問>
我が家にはもうすぐ1歳の 重度で両眼性の先天性眼瞼下垂の子がいます。
先日知り合いに『この子身体障害者手帳は持ってるの?』と聞かれました。
持っていないと答えると、『どう見ても見た目おかしいのに障害児じゃないの?』と。
目については障害というか病気というか・・私自身曖昧な知識だったので正直手帳について全く考えていませんでした。
調べてみたら眼瞼下垂も視覚障害になるようですが、弱視はなく視野狭窄だけで実際交付されるのかどうか。。
私が無知なだけで皆さん持っていて常識なのかも!?と心配になってしまって(>_<)
眼瞼下垂の障害者手帳について、分かる範囲でいいので教えていただけたらと思いますm(__)m
よろしくお願いします。
<回答>
メッセージを読みながら この話にはいろんな難しい問題が含まれているように思いました。
わたしが思うに
知り合いの方は おそらくお子さんのことを親身になって考え
あなたのことも考えて 提案というかお話してくださったのでしょう。
そのお知り合いのかたは 「なんらかの障害があるに違いない」と思い、
障害があるのなら 手帳をもっていれば 受けられる福祉サービスもあるだろうと 厚意で そう言ってくださったのでしょう。
ただ わたしの知る限り、眼瞼下垂症だからということで手帳を交付されているケースは聞きません
瞼瞼下垂の患者は イコール身体障害者ではありません。
そう断言する一番の根拠は、
「まぶたの手術によって、視野が改善する」からです。
18歳までの眼瞼下垂の手術は 育成医療の対象にもなっていて
家族の負担も軽減できる措置は 現時点で講じられています。
(ただしこれは手術を対象としているものであり
経過観察のための通院の費用には 適用されません・・・)
自治体の福祉課の担当者に直接交渉して
「視野狭窄」で身体障害者手帳を交付してもらうことは可能かもしれませんが
手帳の交付には医師の診断書が必要ですし
仮に取得しても 視野狭窄は 全盲に比べて等級はかなり低いと思われますので、実際に受けれられるメリットは少ないと考えます。
(実際に交渉した経験はなく、推測の域を出ないのですが)
最後に ・・・このことを考えると本当に胸が痛むのですが
あなたのお知り合いが 「特徴的な顔立ち」=「障害児」と、誤って認識してしまったのだろうかと思ってしまいました。
もちろん実際は違います。
決してそんなことはない、ということは明らかです。
が、この病気を知らない「世間一般」のかたから見た場合、あるいは知的な問題とリンクされてしまうことは、あるのかもしれません。
そんな、誤った認識が もしあったのだとしたら
それを正してゆくのは
この問題を解決するためにNPOまで作った わたしの役割なんだなー
と 改めて感じたわけです。
ブログをいつもお読みいただき、ありがとうございます。
NPO法人眼瞼下垂の会では会員を募集しています。
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mixiページ「眼瞼下垂の会」をスタートしました。
(Facebook/mixiのアカウントを持っていなくても、リンク先のページを見ることが出来ます。)
『目が閉じられないって、そんなの、障害者じゃないか?』
と言われて傷ついたことがあります。
眼瞼下垂は、『障害』なのか『病気』なのか。
どちらにも当てはまらない気がします。
娘の一ヶ月検診のアンケートに、〜耳や目の奇形がある〜という項目があり、○をしましたが、その言葉も使いたくなくて。
『ユニークな形』で産まれてきた。
と思うようにしています。
私にとって娘は
『四つ葉のクローバー』です。
今回、この記事を書くとき
たくさんの患者さん、ご家族を悲しませることになるのを覚悟しながら、あえてちょっと衝撃的な書き方をしました。
わたしたちは「言葉に傷つけられる」といいますが
本当は、その奥の言葉を使った人の「気持ち」に傷つけられているのかもしれませんね。
あーママさんの娘さんに向けられた
『四つ葉のクローバー』は 本当にステキな言葉です。
幸せは、その人のこころが決めるって
本当にそう思います。
そのことに気づかせてくださいました。
ありがとうございます。
障がい者手帳の件ですが、患者本人からすると「欲しいな」と思う時があります。
というのも、手術の傷跡で仕事が非常に見つけづらく、生活に困ったことがあったからです。
本屋さんに面接に行った際にハッキリと「うちは客商売だから」と言われ、帰りにそのまま線路に飛び込みたくなったり、しばらくは人が怖くて面接どころか外出も出来なくなりました。
その時初めて、日常生活が送れることと社会生活が送れることは別物なんだと感じ、いっそ手足がない方が良かったとまで考えました。嫌な考え方だと自分でも思いますが、それでも保障をされてる人が羨ましかったのです。
ブログを読んでいると、患者のご家族の方が書いてるものはよく見るのですが、患者本人が書いてるものがあまりなかったので、患者の正直な気持ちとしてコメントさせて頂きました。
URLリンク先に「大人になった患者」の本音が書かれています。私の個人的な考えではありますが、いずれ今は子供の患者さんたちが迎える未来の一つだと思って頂ければ幸いです。
見た目の問題って 本当に難しい。
いわゆる「障害者」には当てはまらない。でも、いろんな場で不利益を受けることもある。当事者にしかわからないつらさを、救う手段はあると思いたいけれど、いまだ わたしにも明確な答えは見いだせていません。
リンク先のブログも、読ませていただきました。
なっこさんがおっしゃる通り 当事者のブログは少ないです。今回、なっこさんが書いた記事は、きっと当事者のかたみんなにも共感していただけると思います。
これからも、何かを感じたときだけでも構わないので、どうか書き続けてほしいと思います。