今回は 眼瞼下垂で受診する病院のことを 書いてまいります。
眼瞼下垂は どこの診療科で診てもらうのがいいんですか?と聞かれた場合
受診をしたい人が中学生以上の場合は「形成外科」をお勧めしています
・・・整形外科ではないです。
整形外科は、おもに身体の姿勢や運動の関係する部位である
四肢(手、足)、脊椎(せぼね)などの筋骨格系(からだの運動や姿勢に関わる器官)
のけがや病気を扱う科です。
整形する プチ整形 などのことばが一般名詞として定着していますが
キレイになりたいという希望をかなえてくれるのが 美容外科 もしくは美容形成外科というところです
形成外科がどういう科かというと
体表面の外傷、先天的な疾患、腫瘍(できもの)、あるいは腫瘍を切除した後の外見、機能の再建などの治療を専門的に行なっています。
というわけで 眼瞼下垂の場合は 形成外科の領域になります
あれ?眼科じゃないの?とお思いの方も多いと思います。
眼科はもともと 眼の病気が専門です 白内障とか網膜はく離とか 近視乱視老眼などは
どんな眼科の先生に診ていただいても、それなりの診断はつきますし、治療もしていただけますが
(もちろん、それぞれの先生には「得意分野」があるのですが、ここは 眼科全般として)
瞼のことは 専門外って思っていらっしゃる 眼科医は 結構多いです。
それでも 眼とまぶたは 密接にかかわっていますから
だいたいの眼科の医師は 眼瞼下垂か そうでないかの違いは わかります。
でも 眼瞼下垂を治療してくださる眼科医は びっくりするくらいに少なく
治療できる場合には わざわざ 眼形成 や 形成眼科 と明示しているくらいです。
じゃあ 眼科を受診する必要はないのか?というと・・・
もしも、受診する人が 6歳未満のお子さんの場合は
必ず、眼科での診察も受けていただきたいのです
それは、先天性眼瞼下垂の場合は、斜視や近視・乱視・遠視などを併発する頻度が多いのです
視機能については これまでもこのブログでなんども触れていますが
大切なことは
視機能が完成してしまうまでの時期(6〜8さいまで)に訓練することで 弱視をふせぐことが出来るということです。つまり異常がないかを診てもらい、問題があれば治療や訓練をすることです。
なので 6歳までのお子さんで眼瞼下垂と診断されている人は
「視機能チェック」のための経過観察は どうか怠らないでくださいね。
8か月の子が先天性眼瞼下垂で、経過観察で小児眼科(町医者です)にかかってますが、大学病院などで眼科・形成外科両科にかかるほうがいいのか、ちょうど迷っているところです。
形成外科は「手術をするための病院」だとお考えいただければいいと思います。
手術をする時期は 早期の手術を推奨する医師もいれば、「患者さん自身の意思で行うのがいい」と言う医師もいます。
現状では かなりそれらにバラつきがあるのです。
なので、『この小児眼科では手術の時期や術式をどのように考えているか』を確認しておくことはいいと思います。
その際、
早期の手術をご希望で、手術に関する具体的な希望があれば、病院側にその意思を伝えてゆくことが必要になってくるかもしれません。
まずは手術の場についての確認という意味で、現在通院中の小児眼科に聞いてみるのはいかがでしょうか。