おーばです。
眼瞼下垂という病気の支援をしながら、主婦として、大学院生として、過ごしています。
今回は、眼瞼下垂の話ではありませんが
ネットを使って 当事者や患者の家族の皆さんに呼びかけたり
時には 社会に向かって発言する「伝え手」の私が読んで 感銘を受けた一冊を紹介します。
著者の下村健一さんは TBSの報道局に所属し、
1999年に同社を退職後もTBSの報道番組で活躍していらっしゃいました。
とともに、市民メディアのアドバイザーとしての活動にも力を入れていらっしゃいます。
(8月下旬、私が参加したMFMSのワークショップでは、進行役をしていただきました)
本は4部構成になっています。
まず
メディアがどうしても直面してしまう「報道被害」の根深い問題点について
そして
大手メディア自身はこの問題をいかに修復してゆくかについての 下村さんの提言。
さらに
実は、一般市民である私たちは 市民メディアの担い手として 大きな可能性を持っているということ。
最後に
メディアリテラシー(情報の受け手にも必要とされる基本的な能力)も説明しています。
著書の中で 下村さんは赤裸々に 自分の体験を書き綴っていました。
それだけに 下村さんの「伝えたいこと」の切実さもまた伝わってきます。
本書で書かれていることは 私の日々の“仕事”にも ことごとく当てはまってしまう、ということでした。
私も
「悪意がない」ままに、誰かを傷つけてきたのだろう、という思いを持っています。
それから
もし、誰かのことを傷つけてきたのだとしたら、
それを踏まえたうえで 一歩でも良い方向に進むための「努力」をしてゆかなければならないってことを思いました。
それは簡単なことではありませんし、傷つけた側も 傷つけられた側も 相当の痛みを伴うものだけれど
「修復的作業」することによって
新しい道が見えてくるような 希望の光を感じました。
「市民メディア」については
私が書いているこのブログだって、まさに「情報発信源」。
自分が持つ力について(過大に評価はできないけれど)時にはマスメディア以上の影響力があるということを、自覚すべきだと 実感しました。
メディアリテラシーの項には 大きくうなづきました。
メディアの「受け手」にも きちんとその報道を読み解く力が必要だっていうこと。
実は、報道だけに限った話ではないと思います。
これからの世の中は、自己責任が求められ、「そんなの知らない」では済まされないことが増えています。
どんな病気にも 最低限必要な「病気の基礎知識」があります。
たとえば眼瞼下垂と診断されたなら、知っておくべき事柄がいくつもある。
それを 当事者や家族といっしょになって 相手が理解できるように伝えてゆくのが
私の仕事だと思うのです。
私はこれからも
眼瞼下垂という病気を「伝えてゆく」わけです。
そのなかで わすれてはいけないこと 見失ってはいけないことたちを
しっかり 受け止めました。
そして、これからずっと 心して実行してゆこうと 決意を新たにしました。
私たちが日々目にしているニュース、報道を今一度見つめなおすことのできる、良書です。
機会があれば、ぜひご一読ください。
追記
今回紹介した下村健一氏は
平成22年10月22日より内閣審議官に着任されました。今後は、内閣における広報のアドバイザーとしての手腕を発揮されることと思います。
ご同意戴きありがとうございます。
情報を誤って伝えてしまわないことも大切ですし、みなさまからいただく声をしっかり受け止める力も必要なのだということを
改めて思い知りました。
お子様の手術への過程など読ませていただき大変参考になり有り難く思っております。
息子(現在3才7ヶ月)も先天性眼瞼下垂と生後6ヶ月に大阪府立総合医療センターにて診断されました。
軽度〜中程度であり、現段階では乱視もなく、弱視でもないとのことで手術の話題をコチラが出しても先生からは「必要ないのでは?」とのニュアンスです。
今は半年に一度の経過観察をして約3年程になります。
私は小学校に入る前には手術をと考えておりましたが、担当医はあまり手術に前向きな対応では無いようです。
前回の診察では私が手術の事について詳しく聞こうとした際にも、「手術をしないと言っている訳ではない」と言われました。
このまま通院を続けていて手術もせずで良いのか悩んでいます。
ご相談の内容につきましては個別性がとても高いので、このコメント欄でのお返事は控えたいと思います。
お伝えしたいこともございます。私のメールアドレスにメッセージを入れていただけますか?