今回は掲示板に寄せられたご質問にお答えした内容を再構成して
一問一答の形式でおはなしをします。
Q 片眼性の先天性眼瞼下垂の子の親です。
現在眼科に通院中で、毎回視力のチェックをしています。以前から視力に左右差があり
アイパッチの指示にも頑張って取り組んできましたが
今回の視力測定で左右差が大きくなったようです。
医師から、めがねが必要になるかもしれないと言われています。
アイパッチを続けていても効果もないようですし、
眼瞼下垂の手術を、早期に行うほうがいいのではないかという気持ちになっています・・・。
A
お子さんの眼瞼下垂が片目に生じている場合
視力の左右差の問題は重要課題であるともいえます。
1歳半のころから、10ヶ月以上アイパッチをしているのに効果が実感できないという事ですから
本当に これでいいのだろうかと 不安なきもちにもなりますね。
本人(お子さん)は まだ十分に説明を理解できる年齢ではないですから、
自分にとって不快なものを嫌がるのも無理はなく
それをなだめながら 指示された時間のアイパッチを続けるのも 大変なことだと思っています。
お子さんも お母さんも これまでよく頑張っていると思います。
モノを見る力にも いくつかの要因があり、眼のレンズの屈折の異常という問題があります
先天性眼瞼下垂は乱視を伴うことがよくあるといわれているのです。
私の子もそうでした。
乱視が原因で、「ものを見る力」が育ちにくいという一面を持っていました。
うちの子の場合 生後半年ころからアイパッチを指導されながらも
ほとんど効果的な訓練も出来ずにいました。
とにかく顔にアイパッチを貼られるのを 嫌がって、嫌がって。
通院する度に アイパッチができないことを話すと
医師からは もっと頑張ってと指導されるけれど 実際にはやっぱり 上手くいかず。
親として 随分ストレスでした・・・。
(当時 病院からはアイパッチがなぜ必要なのか しないとどうなるか までは
説明されなかったように記憶しています・・・)
そうこうしているうちに
手術のできる病院を見つけたので、丁度良かったとばかりに転院して
2歳半で手術をしたのですが、
結果的に眼瞼下垂の手術は乱視の改善には結びつかなかったです。
そのことは新しい主治医も患者側(親)もわかった上で
視力のチェックだけは定期的におこなってきたのですが乱視の強い側の視力はその後も伸び悩み
健眼との視力の差は 徐々に拡大してゆきました。
そこで5歳でめがねによる視力矯正をスタートさせたところ
効果的に視機能を伸ばすことができました。
めがねは 私も最初は
「息子がめがねのかけるのはいやだな(かわいそうだな)」という風に考えていました。
でも、めがねをかけるとものが見やすいことがわかって
こどものほうから積極的にめがねをかけてくれたので
子ども自身のがんばりで 視力も向上していきました。
個人的に思うのは
めがねもアイパッチも
そのお子さんに合った時期というものがあり、
ふさわしい時期にやった治療は、良い結果が出るし
あわない時期に無理な治療や訓練をしても なかなかよい効果が得られないと いうことです。
視機能が発達するチャンス(6〜8歳ころまでといわれています)を逃さないように
いい時期をうかがうのも 一考なのかもしれませんね。