おーばです。
昨日、「先天性眼瞼下垂の実数の把握は困難」という話をしました。
その際
「軽度の眼瞼下垂の患者さんは 100人にひとり」
※これはある医師の実感であり、データに基づくものではないですが。
という記述をしました。
初めてこの一文を読んだとき、そんなに多いかなあ?と思いました。
しかし、最近になって表面に現れない先天性眼瞼下垂の方の多さを改めて感じています。
軽度の先天性眼瞼下垂の患者さんの場合、出産のときに母親からも医療従事者からも、それと気付かれないことが多いです。
軽度の先天性眼瞼下垂のひとの中には、
「目つきが悪い」と周囲のひとから言われて傷ついてきたり、
一生懸命まぶたを開く努力をするために、
慢性的な頭痛や肩こりに悩まされたりしてきたひとがいます。
瞼の開き方が さほど悪くないために、
本人も、家族も 先天性眼瞼下垂であることに気付かないのです。
本人が気付く(指摘される)のは 20歳前後が多いのだと思います。
自身でインターネットなどで症状を入力して検索してくるのが
「眼瞼下垂」という聞きなれない言葉。
半信半疑で受診してみると、やはり 眼瞼下垂であるらしい。
…そういうケースを ここ半年ほどの間に、数例お聞きしました。
自分で眼瞼下垂とわからなかったなんてショックだ!というかたもいらっしゃいましたが
親も気付かない 病院でも気付かない 友人も気付かない・・・で
今まで生きてきたのだから わからなくても まったく恥じ入る必要はありません。
お年頃になって 見た目をよくしようと思ってプチ整形
(埋没法などの重瞼手術)をしてみて
そこで初めて 自身が先天性の下垂を持っていたことを知るケースも多々あります。
一般の生活者にとって 本格的な美容形成はお金もかかってしまう
という考えから、安価で出来るプチ整形を選択しがちなのですが
先天性眼瞼下垂が原因で瞼の上がり方に問題がある場合、
眼瞼挙筋を縮める手術を一緒にしないと 重瞼だけでは十分な効果が得られない場合があります。
上手くいかないからと 数回繰り返すかたもいらっしゃいますが
原因は他にあるので いずれも上手くいかず、
ご本人も苛立ちや悲しみ ひいては抑鬱(うつ)状態になってしまうこともあり、本人も、周囲も大変辛い状態になります。
挙筋の短縮手術、形成外科で保険の適用で行うことができます。
気になる症状のあるかたは
眼瞼下垂のことをよくわかっている医師に診察をしてもらい
ご自身の状況に合った手術を 選択していただきたいです。
2010年05月14日
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