今日は、「成人のかたへ」という題で
お話をします。
私の活動のスタートが「自分の子が先天性眼瞼下垂だった」ことから、
私の活動の対象は、「先天性眼瞼下垂のお子さんの親」としてまいりました。
実際、交流をしているかたのほとんどは
私同様に親として、先天性眼瞼下垂に悩んでいらっしゃるかたです。
しかし、よく考えればわかることですが
先天性眼瞼下垂をもって生まれたかたは、成長してゆきます。
おとなに、なります。
「親の視点から見た眼瞼下垂」だけでは
とっても、偏りのあるものだと言わざるを得ません。
だって、本人が一番眼瞼下垂で困っているに決まっているんですもの。
親の立場としては
この子の将来がかわいそうって 思います。
先天性眼瞼下垂でいじめられるに違いない。
だったら 本人が気付く前に いじめられる前に なんとかしなきゃ
それは親心です。
そこに悪気があるわけではありません。
だけど 本当に それが 本人の為になっているかどうかは
10年後、20年後にならないと わかりません。
眼瞼下垂を「なかったことにしたい」親は
当然、こどもにその事実をひた隠しにしますが
「なかったこと」にできるほど この病気の治療はかんたんではない。
親に本当のことを言ってもらえずに成長した子は
心のどこかに 親を許せない気持ちをのこして
そして自分のことを愛することができずに、大人にならなければなりません。
私は
眼瞼下垂のご本人とお話させていただく機会もあるのですが、
自分の眼瞼下垂をひっくるめて
「これがわたしだ」という 生きてゆくうえの覚悟をもつには
やはり 自分自身を肯定してあげなくちゃならないんです。
そのためには 親に愛されなければならないし
親も「眼瞼下垂も なにもかもひっくるめたあなたを愛する」
という気持ちで わが子に向き合わなければなりません。
今回は、かなりむずかしい話をしました。
ピンと来ない人もいるでしょうし
反発されるかたもいらっしゃるかもしれません。
でも
9年間 この問題に真剣に向きあって来た 私なりの結論です。
眼瞼下垂のことで苦しんでいる親御さんは もちろん
ご本人に対するサポートも
私のライフワークとして 続けていきます。
それから。
後天性の眼瞼下垂の悩みもまた
先天性〜と同じくらい つらいものであることを、9年間の活動のなかで知ることができました。
お悩みについては先天性・後天性の区別なく
一緒に考えて あゆんでいきたいと思っています。
悩んでいるかたがいらっしゃったら、お気軽に御連絡下さい。
2010年02月11日
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